[アップデート]Amazon Connectに新しい外部音声転送が追加されました #AWSreInvent
こんにちは。繁松です。
Amazon Connectに新しい外部音声転送が追加されました。今までの外部転送の機能と何が違うのかなど紹介します。
対象リージョンはバージニア北部(us-east-1)およびオレゴン(us-west-2)で東京リージョンは未対応となっております。
はじめに
今までの外部転送との大きな違いは転送時の通話料金です。
今まで外部転送を設定するとAmazon Connectで着信と発信両方の料金が発生していました。今回追加された外部音声転送は必要な転送コネクタ1つにつき月額4万ドルの料金がかかりますが、転送時の料金は最初の400万分は無料で利用できるため、外部転送で他の電話システムのコールセンターに電話を多く転送していた環境では大幅なコスト削減が可能だと考えられます。
また、通常の電話対応は他の電話システムのまま、Amazon Connectの機能やボイスボット等の機能は利用したいケースや段階的な移行計画にも役立つと思います。
以下、試算例です。
【例:400万分の外部転送を行っていた場合】
実際にはIVRに入った着信料金が発生しますがここでは転送時の料金のみ計算します。
バージニア北部(us-east-1)の価格で計算しています。
- 今までの外部転送
- 着信料金:400万分 * $0.0022 = $8,800
- 着信音声使用料金:400万分 * $0.018 = $72,000
- 発信料金:400万分 * $0.0048 = $19,200
- 発信音声使用料金:400万分 * $0.018 = $72,000
- 合計:$172,000
- 外部音声転送
- 外部音声転送コネクタ:$40,000
- 着信料金:400万分 * $0.0022 = $8,800
- 合計:$48,800
概算にはなりますが、追加された外部音声転送の方が$123,200も安くなっています。
参考情報
料金
利用料金は以下です。
使用方法 | 条件 | 料金 |
---|---|---|
外部音声転送 | 最初の400万分 | 最初のコネクタ料金に含まれる |
外部音声転送 | 400万分以上 | 1分あたり$0.005 |
外部音声転送コネクタ | 最初のコネクタ | 月額$40,000 |
外部音声転送コネクタ | 2番目以降のコネクタ | 無料 |
料金は以下のドキュメントで言語設定を英語にすると確認できます。
ドキュメント記載の価格例です。
設定方法
他の電話システムの設定が必要なことや、月額の料金も$40,000と簡単に試せるサービスではないのでドキュメントから確認した設定方法を紹介します。
1. Amazon Connectインスタンスの作成、番号の取得など
Amazon Connectインスタンスを作成します。
2. 外部音声転送コネクタのサービスクォータ増加リクエスト
外部音声転送コネクタを利用するためにサービスクォータの増加リクエストを行います。
リクエストが承認されるとAmazon Connectの設定に外部音声コネクタが表示されます
3. 外部音声コネクタ作成
AWSコンソールにログインし、Amazon Connectの画面から[外部音声転送コネクタの作成] を選択します。
詳細手順は以下になります。
4. 他の電話システム側で外部音声システム構成
他の電話システムのソースシステムを構成します。
SIPREC Configuration Guideで設定方法を確認します。
5. コンタクトフローの設定
コンタクトフローに外部音声転送ブロックを追加し、作成したコネクタを選択します。
さいごに
東京リージョンでは未対応のサービスとなりますが、稼働中のコールセンターを利用しながらAmazon Connectの機能を使いたい場合にとても役立つアップデートだと思いました。
転送先の指定は専用のコネクタを設定する必要があるので、簡単に転送を行いたい場合には今までの外部転送が使いやすそうですね。
今後の東京リージョンへの対応を待ちたいです。